「イザ」と言う時の備えは、何もないときからしておく
みなさんこんにちは。FPの栗本です。
世界的な金融危機が一段落したような報道が目立つようになっています。
私はFPであって、経済の専門家ではありませんから、
世界経済の現状を正確に分析したり、将来の予測を出すようなことはできませんが、
こういった報道に対しては「ちょっと待てよ・・」という気持ちが強いんですよね。
いずれにしても大事なのは「世の中に出ている情報を無条件で鵜呑みにしない」という態度だと思います。
「こう言われてるけどホントかな?」っていう気持ち。
その上で「もし違えばどうすればいいかな?」ってことを考えておくことが大切です。
ボーナス大幅減額
景気の回復(というより、下げ止まり)を示唆する経済指標が少なからず出ている中で、
家計の身近な問題として「2009年夏のボーナスは大幅に減額されそう」という話題があります。
私自身は、ボーナスをもらう立場から離れて早や8年ほどになりますから、この手のニュースは直接関係ないんですけど、
多くの方の相談を受けていると、ボーナスの影響の大きさを実感せずにはいられません。
日本経団連が5月にまとめた集計によると、
09年夏のボーナスは労使の妥結額ベースでマイナス19%という過去最悪の落ち込み幅のようですし、
私自身が直接聞いている範囲でも、前回や昨夏に比べて大きく減ると考えている人は思いのほか多いようです。
そもそもボーナスというのは「臨時収入」的な要素が強いものであり、
大きく減ったからと言ってたちまち生活に影響がでるものであってはいけないのですが、
現実問題として、住宅ローンのボーナス返済はもちろん、
毎月の生活費の赤字をボーナスで補填しているケースは多いので、
ボーナス減少は、ダイレクトに家計に響いてきます。
ではどうしたらいいのでしょうか?
まず最初に思い浮かぶのは「貯蓄の取り崩し」ですよね。
何を目的に貯蓄していたのかにもよりますが、
そもそも貯蓄をする目的の1つは「イザというときのための備え」であるはずです。
金融広報中央委員会が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査(平成20年)」によれば、
貯蓄の保有目的の1位は「病気や不時の災害のときに備えるため」であって、
同じ「イザ」でも「収入が減少したときに備えるため」ではないのですが、
たちまちの支払いが迫っているのであれば、そんなこと言ってる場合じゃありません。
最悪なのは「この貯金は病気とかをした時のためだから取り崩したくない」と考え、
急場しのぎのためにカードローンなどを利用してしまうことです。
細かい計算はさておき、「預貯金につく利息」より「カードローンで支払う利息」の方が多いことは明らかですから。
もちろん「返済の目処が立っており」「金利負担をちゃんと把握できている」のであれば、
コントロールできる範囲内での借り入れは許容されると思いますが、
たちまち使う予定のない貯蓄があるのなら、「イザ」が発生した今、躊躇なく取り崩しましょう。
問題なのは、この「取り崩すべき貯蓄がない」というケースですよね。
貯蓄性のある保険などを持っていて、その解約や減額、またはその保険を担保とした借り入れができるのであれば、そういった方法も検討すべきですが、
上記の調査の中で「貯蓄を保有していない」と回答した世帯は全体の22.1%に及びますので、この場合には「支出を抑える」しか方法はありません。
住宅ローンのボーナス払いなど「支出を抑える」ことが不可能であれば、
「身近な人に援助してもらう」などの方法も検討されるかもしれませんが、
このような事態に陥ったことの理由をしっかりと見つめなおし、同じことを繰り返さないような体制作りをするようにしましょう。
いずれにしても、今までなんとなく先延ばしにしていた「家計の管理」を真剣に考える好機ととらえ、
是非前向きに見直しに取り組んで欲しいと思います。
過ぎてしまったことは仕方ないですからね。
こういっては身も蓋もありませんが、
「イザという事態に陥ってから、イザという時のことを考えても仕方がない」
というのが偽りない現実であることを、キモに銘じなきゃいけないってことでしょう。
「イザ」というときのための備えは、何もないときにこそやっておかなきゃいけません。
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