住宅ローンの繰上げ返済を考える

カテゴリ: - kuri @ 2009-07-30(木) 9:28 +0900

みなさんこんにちは。FPの栗本です。

今回のテーマにした「住宅ローンの繰上げ返済」は、私が最近耳にすることが多くなった質問の1つです。

「繰上げ返済」とは、通常支払っている返済額とは別に、元本の一部または全部を返済すること。

全部返してしまえば、その時点でローンはなくなるわけですが、
それだけのお金を用意できる機会はなかなかないので、一般的には「一部繰上げ返済」の事を指します。
このコラムにおける「繰上げ返済」という言葉も「一部繰上げ返済」を表している点をご承知おきください。

この繰上げ返済、
以前は「最低100万円以上」でないとダメだったり、
繰上げ返済時にかかる手数料負担が大きいことなどの注意点がありましたが、
最近の民間住宅ローンでは、手数料無料で1万円単位から可能なところがあるなど、
使い勝手は随分と向上しているようです。

実行はライフプランを立ててから

繰上げ返済をしますと、その時点で残っている「住宅ローンの残債(=元金)」が返済金額分だけ減りますので、
そこにつく予定だった利息の支払いが不要になり、結果として総返済額は少なくなります。

上記にあげた手数料負担などが、利息の軽減効果を上回らない限り、
数字的には「必ず」総返済額が少なくなりますので、確実な効果が見込めます。

株や投資信託の運用では、元本を減らしてしまうことがあることと比較すれば、
どう考えても繰上げ返済の方が有利そうです。

さらに繰上げ返済は「早く行えば行うほど効果がある」という特徴もあります。
同じ100万円の繰上げ返済ならば、5年目にするより4年目にする方が効果が高いわけですね。

じゃあ住宅ローンを抱えている家計に「ある程度のまとまったお金」があれば
繰上げ返済を最優先で考えるべきなのでしょうか?

やはり、そう簡単に考えてしまうのはまずいと思います。

私が相談を受けている中で、ちょこちょこと見かけるのが、
「繰上げ返済をしたあとで、ボーナスやお給料がカットされ急に家計にゆとりがなくなった」
というケース。

そうなんですよ。
不安定な経済環境が続いている今の世の中では、
半年後、1年後にどうなっているのかがなかなか読めなくなってきてる方も多いと思うんですよ。

「いやいや、うちは大丈夫ですよ」
と言い切れる方であれば何も言うことはないんですが、

「そうですよね〜、そういう可能性も考えておいた方がいいですよね〜」
と思われる方は、より慎重に捉えて欲しいと思います。

10年程度の支出の予定と今の貯蓄額を把握する

ということは「繰上げ返済はしない方がいいんですか?」ってことになりますが、
そういうわけではありません。(どっちやねん!)

要するに、繰上げ返済を検討するだけのまとまったお金ができたなら、
「最低でも10年程度、お子さんがいるなら、そのお子さんが学校を卒業するころまで」
のライフプラン表(キャッシュフロー表)を作ってみて、
どの時点においても「貯蓄残高」が、「1年分の生活費」程度の水準をキープできているようなら、
実行に移しても大きな問題にはならないかなっていう感じです。

このキープする水準を「1年分の生活費」とするか「半年分の生活費」とするかは、
特に決まった基準や理屈があるわけではないので、それぞれの家計の事情から考えて頂ければいいと思いますが、
考える際の1つの目安として捉えていただければ幸いです。

目先の効果だけではなく、
その行動による今後の生活に与える影響というものをじっくり検討しましょう。

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プロフィール
栗本大介
  • CFP認定者
  • 1級FP技能士
  • 滋賀県金融広報アドバイザー
  • 金融知力普及協会認定インストラクター
  • 相続手続支援センター滋賀 所長
  • 一般社団法人日本定年力検定協会 代表理事
  • All About プロファイル

1971年7月1日滋賀県生まれ。
立命館大学卒業後、LEC東京リーガルマインド、ソニー生命保険を経て2001年にエフピーオアシス設立。
「邪魔にならない相談相手」をモットーに掲げる相談スタイルで、顧客からの信頼を得ている。
また、大学や資格スクールでのFP育成にも力を注ぎ、受講生の視点に立った講義は常に好評を博している。

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