子ども手当をちゃんと理解するために
みなさんこんにちは。FPの栗本です。
お盆以降は初めての更新になります。
ご無沙汰しちゃいまして失礼しました。ちゃんと元気に活動していますよ(笑)
それにしても、夏らしい日の少なかった8月でしたが、
窓から入ってくる涼しい風は、すっかりと秋の気配ですね。
さて、多くの人にとって関心の高かった衆議院選挙も終わり、
いよいよ民主党政権の誕生が秒読み段階に入ってきました。
私はあまり政治ネタには触れないようにしているのですが、
今回特に関心の高い「子ども手当」は、家計に及ぼす影響が大きいこともあり、
少なくとも現時点での内容を正確に理解しておくべきかと思います。
それより以前に、そもそもマニュフェストの内容は「将来の約束」にすぎませんから、
実現されるかどうかは何ともいえない点はご注意ください。
当然ながら、新しい法案は国会の審議で可決されなければ実現できないわけで、
「約束してましたけど、やっぱりできませんでした」という事態が考えられるということです。
子ども手当て内容
子ども手当の中身は、よく知られているように
中学卒業まで、1人あたり年312,000円(月額26,000円)の「子ども手当」を支給するというもの。
ただし、平成22年度は半額だけの実施で、全額支給は平成23年度からとなっています。
これは単純に家計の収入が増える要素ですから、
子育て世帯にとってありがたいことには違いないのですが、
実施するためには、5兆3,000億円という財源が必要となり、
この財源を確保するために、
- 配偶者控除の廃止
- 一般の扶養控除の廃止
が盛り込まれました。
そもそも、私たちが収入に応じて負担している所得税は、
「収入−経費=所得」
「所得−所得控除=課税所得」
という計算をした上で、この「課税所得」に税率を掛けて計算されています。
「配偶者控除」や「一般の扶養控除」は、
所得控除の一つなので、これが廃止されるということは、
上記の式から見てもわかるとおり、「課税所得が増える」結果につながります。
細かい計算はさておき、
現行の金額で「配偶者控除」「一般の扶養控除」とも、金額は38万円なので、
対象となる配偶者と、一般の扶養親族(子供など)が2人いれば、
38万円×3人=114万円となります。
これは「所得から差し引ける所得控除が114万円少なくなる」ことを意味し、
結果として「課税所得が114万円増える」ということになります。
(細かい計算例は、今日配信するメルマガ第137号で触れております。)
子ども手当の額=世帯収入の増加ではない
課税所得に掛ける税率は、所得金額に応じて5%〜40%の違いがありますが、
仮に20%の税率がかかる層(課税所得で330万円超695万円以下)の場合、
課税所得が114万増えることにより、114万円×20%=22.8万円の所得税増となるわけです。
もちろん、住民税も増えます。
上記の例(子ども手当の対象となる子ども2人がいる家庭)だと、
子ども手当の額が、312,000円×2人=624,000円なので、
家族としての手取り額は増えることには違いないのですが、
子ども手当の金額分だけ、丸々収入が増えるわけではない点には十分ご注意ください。
ちなみに、配偶者控除や一般の扶養控除の廃止は2年目(平成23年度)からの実施なので、
来年度は「子ども手当の半額支給」分だけ、所得が増えます。
それと、扶養控除には、今回は廃止の対象となっている「一般の扶養控除」のほかに、
16歳〜23歳の子どもを扶養している人を対象とした「特定扶養控除」や、
70歳以上の方を扶養している人を対象とした「老人扶養控除」などがありますが、
こちらは廃止されず、現行のまま継続の予定です。
上記の金額は、本人の収入はもちろん、配偶者の収入や家族構成によって随分違ってきますから、
「うちの場合はどうなの?」っていうのは、個々に計算をしないとわかりません。
下記の国税庁のサイトなどを参考にしてみてください。
▼給与所得控除
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm
▼所得控除
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/shoto320.htm
▼所得税率表
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm
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